岡本太郎がデザインした、シンプルでおしゃれなスツール

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2011年は岡本太郎生誕100年記念として様々な展示会や企画が開催され、サイコロ椅子は「 岡本太郎生誕100年記念事業 」の一環として復刻されました。この椅子は、岡本太郎が国際デザインコミッティの創設メンバーとして、グッドデザインの選定に参加されていた頃の1957年に、敏子氏と山川ラタン製作所(東京大森)に赴き、そこでデザインを行い制作、のちに短い期間販売されたものです。

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商業的なデザインとは一線を画す、太郎が発した自由なかたちは製作上、困難な部分もありましたが、巧みの技術をもった山川ラタン製作所が商品化として実現させたという経緯があります。

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復刻にあたっては当時製作に携わった、山川譲が製作監修を行いました。岡本太郎の家具デザインといえば手の形をした椅子や角が何本も生えたような照明、また「坐る事ことを拒否する椅子」などとてもアート性の強い作品が広く知られていますが、こちらのサイコロ椅子はそれらの作品がつくられる以前にデザインされた正統的なモダニズム家具です。

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当時渡辺力氏が「トリイスツール」を山川ラタンで制作しており、岡本太郎は氏の作品を見て自身でもデザインを行ったそうです。当時青山のアトリエで岡本太郎がサイコロ椅子を実際に使用している写真が残されていますが、そこでは渡辺力氏の籐製のローテーブルを合わせて使用しています。

サイコロ椅子のデザインはやはりアーティストらしく機能性を持たせながらも独創的なデザインです。

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縄文時代の土器に強い興味を抱いていた岡本太郎。このサイコロ椅子にも縄文土器の影響が色濃く表れています。少し低めの座面は玄関で靴を履く際のスツールなどにも使用できそうです。

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