一切の無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインの、おしゃれなデスクライト

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50世紀のデンマーク建築・デザイン界の巨匠 アルネ・ヤコブセンがデザインした照明の名作、AJシリーズ(テーブル・フロア・ウォール)が、50周年を迎え、新しい5色が発表されました。どの色も、ヤコブセンが彼の建築空間で使用した色調から選ばれたカラー達です。

フリッツ・ハンセン社を訪れヤコブセンの好んだ色彩から空間にブレンドしやすい5色を選択

ルイス・ポールセン社では、色彩に関するアルネ・ヤコブセンのインスピレーションを求めてフリッツ・ハンセン社を訪れ、そこでヤコブセンの色見本帳と、「スワンチェア」と「エッグチェア」に使われた古いテキスタイルのサンプルを見ることができました。ヤコブセンは派手な色彩を望まず、カーテンとして使ったテキスタイルにしても、太陽光を透過させて室内を柔らかく静けさのある光で満たそうとしました。フリッツ・ハンセン社から受け取った色見本を検証し、どんなインテリアにもブレンドしやすい5つの色を選択。実際これらの色は、ヤコブセンがファブリックや趣味として 描いた水彩画の多くにも見い出せる色調となっています。

光沢を抑えた上質感ある塗装で仕上げています

今回の50周年にあたりルイス・ポールセンでは、AJシリーズを新しい素材や仕上げで製作することを、これまで何度も検討しましたが、満足すべき結果に至らず、現行品の 白、黒、グラファイトの3タイプも光沢を抑えた上質感ある塗装で仕上げています。AJシリーズは、光沢ある塗装では美しくなく、控えめで おとなしいトーンをもった今回の5色も、「シルク・マット」と形容できるスムーズで、すべすべした表面塗装を採用しています。

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コペンハーゲンのSASロイヤルホテル(現ラディソン・ブルー・ロイヤルホテル)のためにデザインされた「AJフロアランプ」「AJテーブルランプ」「AJウォール」は、純粋主義者としてのヤコブセンのデザイン手法を見事に表現されています。左右非対称の円錐形のシェード部分は上下に可動して光を放つ方向を明確に示し、ランプのスイッチを切った状態でもその光を予測することができます。光のデザインがフォルムの中にビルド・インされているのです。今回50周年を記念した5色のカラーの発売と同時に、2010年に竣工50年を迎えたラディソン・ブルー・ロイヤルホテルの客室でも、新色のAJシリーズのランプを使用したインテリアが展開されています。

一切の無駄を削ぎ落とした非の打ちどころのないプロポーション

非の打ちどころのないプロポーション、そして、線・角度・円・円柱を相互作用させた知的デザイン。視覚的調和と静けさを創出しようと強く望んだヤコブセンは、デザインから異質な要素をできる限り排除しました。ヤコブセンはソフトなトーンの色合いを好んだため、色彩自体が注目をひくことはありませんでした。「モノの存在が空間の経験に干渉してはならない」というのが彼の持論でした。実際、彼は建築にもインテリアデザインにも同じ態度で取り組み、建築や部屋の室礼、その空間の雰囲気を、一つのまとまった総体とみなしたのです。

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